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【土曜更新】『夢の端々』『葬送のフリーレン』『ゴールデンカムイ』25巻~最近読んだ漫画感想~

明日で自粛解除らしいけど、元からインドア派なので普通に漫画読んでる中山 今です。

このところ読んでいた漫画の感想をまとめました。各作品の参考までに(今週は3作品!)

1、『夢の端々』年月を逆行して妖精のように美しくなる女性たち。結末から読むガールミーツガール

人生を賭けた恋を、死から逆行して追う一代記。
物語は80代の二人の女性の再会から始まる。
貴代子は独り者で経済的にも自立した女傑、ミツは離婚して娘夫妻の家で余生を送る。二人はその昔、恋人同士であった。
令和から戦後、70年の心の変化を俯瞰で眺めるガールミーツガール。

上下巻という短さで美しくまとめられた文学作品。
結末が分かっているためか物語にいい意味で話に没入せず、どんなドラマティックな事件も少し離れた空から眺めているような新鮮な読み心地です。

物語が進み年が若くなるにつれ、二人はどんどん美しくなります。ただきれいになるのではなく、生活臭さが抜け、戦後の生活様式を当たり前とし、読者の理解の及ばない妖精のような存在に変わっていきます
身近なおばあちゃんが徐々に美しく変化していく感覚はものすごく新鮮・・・!何度も繰り返し読みたい名作です。

2、『葬送のフリーレン』超長寿者の葛藤というifを描く、ある意味SFのマンガ大賞受賞作

マンガ大賞2021年大賞受賞作品。
ベーシックなファンタジーRPG世界のその後の物語。
魔王を倒した勇者一行パーティーのうち、エルフのフリーレンのみが悠久の寿命を持っていた。
老い死んでいく仲間たちと、その想いをなぞるフリーレン。
次世代へつなげながら、自身も成長していく「超長寿者の葛藤」ファンタジー。

「一人だけ超寿命長かったら辛いだろうな」の「もしも」を描く、ある意味SFの本作。
大きな目的はなく、ハードなバトルもあまりない。感情の起伏の少ない主人公フリーレン同様、物語も訥々と進む。
その長寿を活かして後継者の育成に携わったりして、確かに冒険の終わった長寿者ってそうなるだろうなーって感じのSFみがすごい。

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3、『ゴールデンカムイ』25巻 物語も佳境の闇鍋ウエスタン、邪悪も清廉も肉弾バトルも大満足の盛り込みぶり

猟奇殺人犯と離反軍人と新選組の生き残りと少数民族ゲリラが巨額の金塊を奪い合って北海道(一部ロシア)を駆け巡る闇鍋ウエスタン25巻
物語も佳境、金塊の謎を巡って全勢力が札幌を目指す。
各勢力の裏切りと合併、そして単独の猟奇殺人犯の暗躍。
解けそうで解けない謎、大迫力のバトルも盛りだくさんで大満足の1冊。

大きなストーリーの進展はない代わり、随所に見ごたえ満載の巻。「超絶ド級サイコパス」上等兵宇佐美の胸糞発言、「ファザコンルサンチマン」尾形の独白をたっぷり堪能できる。また「不敗の牛山」VS「不死身の杉元」の重量級バトルは手に汗握る迫力!
アシリパの淡い想いも絡み、毒から光までさすが闇鍋ウエスタン。次巻は結構話が進みそうッ。楽しみッ!!

4、今週のまとめ。「時」に思いを馳せる作品を読んだなあ

 

『夢の端々』『葬送のフリーレン』は、たまたまですが時間の流れがテーマの漫画でした。

とはいえ『夢の端々』では限られた時間の逆行を、『葬送のフリーレン』では戻れない悠久の時という真逆のテーマ。同じテーマと言えども切り口はいろいろですねえ。

(中山 今)

↓次回の漫画レビュー記事はこちら↓

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2021年3月27日
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