この記事では、2021年12月1週目の漫画新連載3作の一言レビューをご紹介します!
気に入る新連載を探すきっかけにしてみてくださいね!
この記事で一言レビュー紹介する3 本はこちら↓
作者 | タイトル |
タイザン5 | タコピーの原罪 |
荒川弘 | 黄泉のツガイ |
山口貴由 | 劇光仮面 |
それでは【最近の新連載】、12月1週目の漫画新連載をお知らせします!
目次
1、11月最終週の漫画新連載3作!~残酷な少年マンガと話題作ファンタジーと、破天荒な未知数の特撮マンガ~
それでは今週の新連載3作ですが、以下の形態でご紹介します。
- 表紙絵
- 基本データ
- 媒体掲載あらすじ
- 一言レビュー
- 試し読みor掲載媒体リンク
1-1、『タコピーの原罪』少年ジャンプ+~痛々しい少女と能天気な宇宙人は絵で区別されている。可哀そうな少女の運命は、きっと少年漫画の中で救われる(という期待)~
『タコピーの原罪』タイザン5 少年ジャンプ+ 集英社より引用
タイトル | タコピーの原罪 |
作者 | タイザン5 |
連載開始 | 2021年12月10日 |
掲載媒体 | 少年ジャンプ+ |
連載周期 | 週次連載(金曜) |
【媒体記載あらすじ】
地球にハッピーを広めるため降り立ったハッピー星人タコピーは、笑わない少女しずかちゃんと出会う。
どうやらその背景には学校のお友達とおうちの事情が関係しているようで…。
無垢なタコピーが知るざらついた現実とは!?衝撃のヒューマンドラマ、ここに開幕!
『タコピーの原罪』タイザン5 少年ジャンプ+ 集英社より引用
【一言レビュー】
あまりに残酷な子供の運命と無垢な宇宙人が出会う。
- 薄幸の少女
- 始終嬉しそうな宇宙人
二つの存在の絵のタッチを変えており、「ハッピー度」の対比が際立つ。
汚しがかかったしずかちゃんの絵と、平面でかわいいタコピーのイラスト。
絵だけでも「まるで別な世界にいるみたい」というのが分かる、秀逸な表現だと思います。
1話目にしてデカイ仕掛けがあるので、まずは読んでみてほしい。
凄惨な小学四年生へのいじめ、児童虐待などがあるので、辛い方は気をつけて。
でも、タイザン5先生は以前の読み切りで「とても前向きなメッセージを込めた少年マンガ」を炸裂させてくれた先生。
『タコピーの原罪』でも、児童虐待を少年マンガとしてぶちのめしてくれそうな、そんな期待をしています。
↓『タコピーの原罪』少年ジャンプ+のリンクはこちら↓
↓タイザン5先生の前作読み切り『ヒーローコンプレックス』はこちら。情けない「元」ヒーローのお兄ちゃんが、再びヒーローになるアツい少年マンガ!
(なお、この記事の下~~の方で『タコピーの原罪』をちょっとだけネタバレするので、ご興味あればぜひ先に読んでみてください。ジャンプラだから無料だよ!)
1-2、『黄泉のツガイ』月刊少年ガンガン~待ってた荒川弘最新作!筆力で作った世界観を筆力でぶっ壊すダイナミズムに打ち震えた~
『黄泉のツガイ』荒川弘 月刊少年ガンガン SQUARE ENIXより引用
タイトル | 黄泉のツガイ |
作者 | 荒川弘 |
連載開始 | 2021年12月10日 |
掲載媒体 | 月刊少年ガンガン |
連載周期 | 月刊連載 |
【1話あらすじ】
ある時、あるところで・・・
双子の赤子が生まれようとしていた。
その二人は「ツガイ」を統べるもの。
そして夜と昼を別つ子が生まれる。
舞台は変わり、牧歌的な狩猟生活の村。
少年「ユル」は狩猟に精を出していた。
ユルが狩猟の腕を磨くのは、「お務め」のために座敷牢に閉じ込められた妹アサを守るため。
不自由な身ではあるものの、明るいアサや村の人たちと共に平和な時が流れていた。
その平和を切り裂く突然の襲撃。ユルと対峙するアサを名乗る人物。そして「ツガイ」が姿を現す。
「ツガイ」とは?「下界」とは?アサを名乗る人物は・・・?謎と波乱の第一話。
【一言レビュー】
来たぞーー!荒川弘ッ!
『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』『獣神演武』『アルスラーン戦記』などなど、歴々たる少年漫画を生み出してきた荒川弘先生の最新作だッ!!祝!
1話目から長尺を見越したスタート。
ばらまかれた謎・・・突然の悲劇や妹の生死、魔法?のような超常バトル攻撃であり本作のキーポイント「ツガイ」のチラ見せなどなど。
壮大なお話の序章というべき1話。楽しみです!
でも1話目にしてすでに漫画体験としては面白いッ! (以下ちょっとネタバレ)
過去作品で数々の架空国家を描いてきた先生が丹念に描く「架空の和風ファンタジー世界」。
モノローグや説明はなし。キモノっぽい服、石積みの家、物々交換の狩猟生活など、和風なような、北海道開拓時代のような異国情緒と時代性のビジュアル。
「ああ、今回は中世っぽい和風ファンタジーなのかな?」と思わせたところに、突如大ゴマで「ヘリコプター」を登場させる。
丁寧に描いた中世イメージに殴りこんでくる現代兵器という違和感に、1ページ目から読者が思い込んでいたジャンルの壁が壊される!
筆力で作った和風ファンタジーイメージを、筆力でぶっ壊すダイナミズムに脳が痺れる・・・ッ!
ところで作中のヘリコプターの襲来は、当然のように作中キャラの平和を乱す暴力です。
読者イメージも、作中キャラの平和も、同時にぶっ壊して場が急展開するワクワク。いわゆる「漫画がうまい」ってやつですね。震えます!
↓月刊少年ガンガン2022年1月号はこちらで!
1-3、『劇光仮面』ビッグコミックスペリオール~特撮は救いであり癒し。破天荒な作者が創る物語はただ座して待つのみ~
『劇光仮面』山口貴由 ビッグコミックスペリオール2022年新年1号 小学館より引用
タイトル | 劇光仮面 |
作者 | 山口貴由 |
連載開始 | 2021年12月10日 |
掲載媒体 | ビッグコミックスペリオール |
連載周期 | 隔週連載 |
【1話あらすじ】
僕は器にしかすぎない・・・しかし特美はその逆だ。
針金のように細く鍛え抜かれた体と、神経質な嗅覚を持つ青年、実相寺二矢。
29歳にして、大学の旧友である切通アキノリが亡くなった。
切通は実相寺の所属していた「特撮美術研究会」の主催者だ。
実相寺は通夜で思い出す、切通との思い出を。
自身の特撮美術への憧憬と、そして「星をつなぐ者たちによる決別の儀式」を。
旧友たちと共に乗る電車は、わずかばかりの不穏さを乗せて走っていく。
【一言レビュー】
鬼才、山口貴由先生の新連載!
『シグルイ』『衛府の七忍』といった有名作多数。(なおライターもファン)
臓物の四散などグロテスクな絵や、ネットミームで大拡散された面白セリフ「誤チェストにごわす」などを生み出した、トリッキーでコアな作風を持つ漫画家さんです。
しかし今回の『劇光仮面』、1話目の段階では方向性つかめず・・・ッ。
現代モノであり、特撮への愛情を語るマンガであり、神経質で変わった主人公となんか高名な肩書を持つ元サークル仲間たち(警察官とか東大ポスドクとか)が登場することはわかりました。
すでに1話目の引きで不穏なムードは出ていますが、作品がどう転がるかは全くの未知!
でもいい、それが山口作品。
山口作品を楽しむときはその荒ぶる破天荒さも含めて楽しむべきだ、というのが持論です。
打ち切りバッチ来い!突然のジャンル変更どんと来い!私は先生に付いていくッ!(←過去に何かあった)
その不安定さも含め、山口作品は魅力的なのです。
果てしない暴力性、耽美にすら感じる残酷絵、唯一無二の世界を提供してくれる作家さんです。楽しみにお付き合いしていきたいと思います。
掲載のビッグコミックスペリオール2022年新年1号はこちら!
↓そういえばライターは『衛府の七忍』最終巻のショートレビュー記事を書いていました。良ければどうぞ。
2、来週も気になる新連載がたくさん!今後もピックアップしていきます。
今回は ライターが気になった漫画新連載(2022月1週目)の一言レビュー3作 をご紹介しました。
面白そうな連載が、奇しくも12月10日に一気に始まったッ!これが年末進行なのかッ(たぶん違う)!
ところでこの記事を読まれている漫画好きレディース&ジェントルメンは、無料で読める『タコピーの原罪』は読まれました?
最後まで読んでびっくりしませんでした?
だってあの痛々しさで「タイムリープ」展開になりそうよ!?ワクワクしちゃう!!
あーー楽しみーー。面白い漫画たくさんで嬉しいなーーー!
さて、この『今週の新連載』記事は毎週土曜日11:30に公開しております。
また来週も気になる新連載の一言レビューを掲載していきますので覗いてみてくださいね!
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(中山 今)
前回の「今週の新連載」記事はこちら↓
こんにちは、漫画の新連載を共有しまくりたい! マンガフルライター中山今です。
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2021年10月8日