この記事では最近始まった漫画新連載をショートレビューでご紹介します。
- TOP絵
- 作品詳細
- 媒体記載あらすじ
- 一言レビュー
でご紹介していきます。気に入る新連載を探すきっかけにしてみてくださいね。
1、1月最終週の漫画新連載紹介~『彼岸花』パンクな魂の漫画の主役は40代非正規女性。アーティスティックな絵でカッコつける40代の日常&ノーフューチャーに圧倒される~
『彼岸花』青色ひよこ トーチより引用
タイトル | 彼岸花 |
作者 | 青色ひよこ |
連載開始 | 2022年1月14日 |
掲載媒体 | トーチ |
【媒体記載あらすじ】
青春は終わってもパンク少女たちの人生は続く——。第3回トーチ漫画賞〈山田参助賞〉圧倒的受賞作。
緊急事態宣言下のある街で女が橋から飛び降りた——。
90’sを生きたパンク少女たちは、失った仲間と青春を引きずったまま40代の今をもがきつづける。
白と黒で描かれる、痛みに満ちた青春とミドルエイジ。
第3回トーチ漫画賞で〈山田参助賞〉を受賞し、山田参助氏に「圧倒的によかった」「今すぐ本にしてほしい」と言わしめた、40代主婦・入魂のデビュー作。
トーチより引用
【一言レビュー】
コロナ禍ジャパンでクソみてえに生きてる40代非正規の日常が、鮮やかな絵でフィルタのかかる混乱と喜び。そして謎が物語に引き込む。
この独特の絵!
切り絵のような太い線と影の使い方が印象的。
この絵で綴られるのが「40代非正規女性の日常」なんだからイカしてる。
使い捨てブラシでトイレ掃除をしても、派遣のタイムカードを押してもカッコつけてる。40代の日常がパンクに塗り替えられる面白さ!
物語の主役は、40代非正規女性の「キョンシー」と「モーリン」。
非正規である劣等感を持ちながら、『パルプ・フィクション』(1994年映画)の世界感を懐かしみ、パンクバンドを組んでいた友達の墓に参る。
すっかり燃え終わって、煤けたノスタルジーを軽口でやりこめる。
時はコロナ禍。そして「誰か」が橋から落ちる。
事件はいかにして起こったのか?そして誰が落ちたのか?
事件に至る道程をたどるサスペンスであり、40代非正規女性の焦燥感ある「青春」物語でもあります。
ところで、ライターはまさに40代非正規女性そのものです。
『彼岸花』の諦めを含んだノーフューチャー、ものすごく身にしみます。
「私たちこの後どうなるんだろうね?」という不安、10代の移ろいやすい時期によく感じる気持ちです。
でも令和ジャパン40代非正規女性も思ってるぜ!ぜんぜん見えない!怖いぜ!未来!!
なお、作者の青色ひよこ先生も40代女性で本作がデビュー。
先生自体も少なからず味わっているであろう「日常にへばりついてくる焦燥感」をどうカッコつけるのか?楽しみです!
↓『彼岸花』はこちらから読めます!初手から一挙5話掲載!読み応えありますよー!
http://to-ti.in/story/higanbana00
なお、良ければ第3回トーチ漫画賞審査評も併せてどうぞ!ほかの作品評も見ごたえアリ。
http://to-ti.in/story/award3_final
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(中山 今)
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マンガフルライター中山今です。
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