この記事では最近始まった漫画新連載をショートレビューでご紹介します。
気に入る新連載を探すきっかけにしてみてくださいね。
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でご紹介します!
1、2月3週目の漫画新連載紹介~『再生のウズメ』他人事じゃないッ!社会のレールから外れた40歳女性ニートに40歳ライターが震える~
『再生のウズメ』天堂きりん FEEL YOUNG (フィールヤング) 2022年 03月号 祥伝社より引用
タイトル | 『再生のウズメ』 |
作者 | 天堂きりん |
連載開始 | 2022年2月8日 |
掲載媒体 | FEEL YOUNG |
【媒体記載あらすじ】
働いたら負け。
部屋に閉じこもって12年。
破れた夢を消化できないまま…。
FEEL YOUNG 2月号(次回予告ページ) 祥伝社より引用
【一言レビュー】
田村ウズメは40歳。
子役から女優を目指し、28歳の時に挫折。
その後実家に引きこもり、2~3か月療養する気がふと気づけば働かずに12年・・・。
いわゆる「子ども部屋おばさん」が主人公の漫画です。
「70歳の実父から働くことを催促される」「映画を観ては超辛辣にこきおろしたレビューをアップするのが日課」「部屋が超汚い」と、1話目にしてこじれきったニートの地獄が伝わってきます。
『再生のウズメ』天堂きりん FEEL YOUNG (フィールヤング) 2022年 03月号 祥伝社より引用
親御さんの気持ちを考えるといたたまれなくて泣きそうですが、ではウズメの気持ちになったときはどうなのか。
実はライターは同情的、というよりむしろ「自分がそうなっていた可能性」を感じてとても他人事じゃありませんでした。
ライターも正に40歳。いわゆる「就職氷河期」世代で、友達全員、就活に苦労していました。
ただライターは学生時代から劇団に入っていたため、希望の持てない就活から目を背け、なし崩し的に演劇の道に入りました。
アルバイトで糊口をしのいでいましたが、平日・休日問わず長時間の稽古(=休み)が必要で、アルバイトで長期間務めていても責任のある立場にはなれません。
見切りをつけて辞めた演劇はなんの社会経験にもならず、履歴書を埋めるのに四苦八苦した苦い思い出があります。
ウズメとライターの状況が似たものなのかは断定できませんが、感じるのは「ライターも劇団辞めた時引きこもってたらウズメのようになってたかもしれない」という戦慄の納得感。
元から就労が簡単ではない世代が夢破れ、ちょっと休んだ。そのつもりが12年が経っていた。
12年も!?と思いつつ、面接後落とされるダメージや就労経験の浅さを問い詰められる情けなさは思い出したくもないしんどさです。
来月がんばる、半年後がんばる、1年後頑張る・・・と、ずるずる12年経ってたのかな、とも思うのです。
ライターほど状況が重ならなくとも、この不景気で「自分がニートになっていたかもしれない(なっていた時期があった)」という恐怖はかなり現実的なものじゃないかな・・・と思います。
1話目では、ウズメのどうしようもない現状とウズメの過去が描かれます。
そしてウズメの家に、「ある」業者の男性が訪ねてくるところで終わっています。
訪ねてきた男性の目的はいったい何なのか。このあとウズメは再生することができるのか。
あまりにも生々しい子ども部屋おばさんストーリー。恐る恐る追いかけてみたいと思います・・・。
『再生のウズメ』掲載のFEEL YOUNG (フィールヤング) 2022年 03月号はこちら
FEEL YOUNG (フィールヤング) 2022年 03月号 [雑誌]
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(中山 今)
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マンガフルライター中山今です。
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